商売をしていると、売上を上げるためにいろいろな数値を把握していなければいけませんよね。
新規顧客数、顧客単価(一人当たりの平均売上)リピート率、仕入れ値、利益率・・・
どれも重要な数値ではありますが、特に重要なのが
「リピート率」です。
このリピート率というのは、
ちょっと変わるだけで、
売上や利益がものすごい変わるんです。
今回はこのリピート率について少しお話をしたいと思います。
経営を行う上で、リピート率の重要性を知らない場合、
他の数字をあげるために頑張って頑張って頑張って…、
でも結果が出ていないということがよくあります。
一般的に売上を上げようとしたらまず何をしようとしますか?
大抵の人はお客様を増やそうとします。
そうすると新規のお客様を増やそうとして、
広告を出したり、
呼び込みをしたり、
チラシを配ったりします。
これってお金がすごくかかりますよね。
広告うったらそれだけで、かなりの金額がかかります。
呼び込みをしたら人件費がかかります。
チラシ代も大量に刷りますからバカになりません。
新規のお客様を獲得するコストってすごく高いわけです。
それでもお客様を増やさなければいけないからって
新規を獲得するために一生懸命頑張ると
コストがすごくかかってしまいます。
一時的に売上が上がっても、利益は変わらなかったりもありえます。
労力のわりにお客様は増えなかったり、
安定した売上アップにならなかったりもします。
一時的に新規が増えても、広告に力をいれなくなったら、
元のお客様の人数に戻ってしまうことも考えられます。
もちろん新規のお客様を増やすことは大事ですよ。
お客様がこなければ売上は発生しないわけですからね。
ある程度新規のお客様が来る状態であれば、
利益を上げるにはもっと良い方法があることを、お教えします。
題名にあるリピート率という概念を考えたことがありますか?
リピート率とは、お店にやってきたお客様が何回くらい
リピートしてくれる(また来てくれる)のかということを
数字で表したものです。
この数字、甘く見ていたら成功しませんよ。
(冗談抜きで本当です)
ではリピート率についてご説明します。
ここに4パターンのリピート率のお店があったとします。
(客単価があった方が計算しやすいので、どの店舗も仮に5,000円とします)
A店のリピート率は20%。
(リピートしてくれる人は5人に1人)
B店のリピート率は60%
(リピートしてくれる人は5人に3人)
C店のリピート率は80%
(リピートしてくれる人は5人に4人)
D店のリピート率は90%
(リピートしてくれる人は10人に9人)
この4店舗があったとします。
リピート率と客単価がわかればお客様の一人当たりがお店に支払う
平均額が計算できます。
要は新規のお客様が一人お店に入れば、
どれくらいの売り上げが発生するかということです。
この計算方法は、リピートしないで失脚する人(こなくなる人)の割合で計算します。
計算式はこうです。
客単価 × 100% / 失脚率 = 一人当たりが生涯お店に払ってくれる金額
です。
具体的に計算してみましょう。
A店の場合
失脚率はこなくなる人の割合なので、80%です。
計算式にあてはめてみます。
5,000 × 100% / 80% = 6,250
A店のお客様一人当たりの売上は6,250円となります。
次はB店。
リピート率60%なので失脚率は40%。
5,000 × 100% / 40% = 12,500
B店の一人当たりの売上は12,500円。
同様にC店とD店も計算します。
C店。
5,000 × 100% / 20% = 25,000
D店。
5,000 × 100% / 10% = 50,000
この数字の違いわかりますか?
並べますよ。
A店 リピート率20% 6,250円
B店 リピート率60% 12,500円
C店 リピート率80% 25,000円
D店 リピート率90% 50,000円
わかりますか?
注目するのは失脚する割合です。
失脚率が1/2になると、売上は2倍になるのです。
A店の失脚率は80%、B店は40%。
ということは失脚率が半分になっています。
すると売上は倍になっているのがわかりますか?
同様にB店からC店、C店からD店も、
失脚率が半分になっているので売り上げが倍になります。
衝撃的な数字だと思いませんか?
新規のお客さんを増やして売上を上げようとした場合、
単純に売上を倍にするためには、新しく来てくれる人を2倍にしなければなりません。
経費の関係上単純に2倍にしても、売り上げが2倍になるとはかぎりません。
広告費や募集する媒体を2倍にするのはリスクが高いはずです。
しかしリピート率を上げれば、同じお客様の量でも結果が数倍はかわります。
ご説明した計算でお分かりいただけたかと思います。
ある程度集客が安定しているお店なら、リピート率を上げる方が、
圧倒的に売上があがります。
コストも新規のお客様を増やすより少なくてすみますし。
(やり方によっては全くコストをかけないこともできます)
なぜリピート率が上がれば売り上げがあがるのかわからない、
という人もいると思うのでそちらもご説明します。
例えば
A店は毎月100人安定して新規のお客様が来る店であるとします。
リピート率は20%。
最初は100人ですね。
2ヶ月めは20%がまた来てくれて、100人が新しく来るので120人です。
3ヶ月めは120人の20%が残るので24人と新しい人100人で124人です。
これを数ヶ月続けていくと、毎月来る人の数が安定します。
(飽和するといってもいいです)
これも計算ででます。
新規来客数 × 100% / 失脚率 = 飽和人数(安定した月の来客数)
あてはめてみます。
A店
100人 × 100% / 80% = 125
D店
100人 × 100% / 10% = 1000人
最終的に残るお客様の数が
さきほどの売り上げの金額と同じ割合で変わります。
新規で来ている人数は全く同じでです。
要するに、リピート率を上げることによって、
トータルの来店人数(リピートしている人の数を含む)
が数倍になるということなんです。
どうでしょう?
僕もこの概念を知った時は驚愕しました。
ここまで変わるのかと。
そして、リピート率を上げることで、もう一つ良い点があります。
リピートしてくれる人って、濃い客になります。
あなたのお店のことを信用しているので、
何か新しい商品でも開発なり仕入れなりしたときに勧めると、
高確率で買っていただけたりします。
リピート率を上げることは、お客様にも満足いただけている証拠なので、
あなたは売り上げがあがり喜び、お客様も満足して喜ぶ。
お互いが喜ぶ結果となるのです。
どうですか?
リピート率の重要性についておわかりいただけましたか?
まずリピート率を測っていないお店の場合は、
必ず測るようにしてください。
飲食店などのわかりずらいお店の場合は、来店スタンプカードなり、
リピート率が少しでも測れるような物を作ってみてください。
リピート率を上げる方法ももちろんあるのですが……
それはまたの機会にお話します。
まあ今回のお話でも、リピート率を知らないお店関係の人には
超有料級のお話だと思います。
視点を変えて、頑張る方向性を変えただけで、
売上がものすごく変わることを知ってください。
どんな分野でもそうですが、頑張る方向性を間違えると、
結果がでないので、徒労におわります。
「元々すべきでなかったことを能率効率よくすることほど
無駄なことはない」
という名言があります。
僕には重く刺さった言葉です。
いろんな知識や事例を学んで、
無駄にすべきでなかったことに
力を入れることがないように、
成功する道を歩んでくださいね(^^)/